レポート05:チームのパフォーマンス向上に向けて

食事から強いチームを作るために必要な3つのこと。

チームビルディング・若手育成
2019.10.30
雨宮 祥子 | 管理栄養士
近年、全国で地域スポーツチームが益々盛り上がりを見せていますよね。そんな身近になりつつあるチームスポーツの現場では、どんな栄養マネジメントをしているのか気になりませんか?
タニタヘルスリンクでは、地域に密着して活動しているプロバスケットボールチームのサポートをしていますが、選手個人だけではなく、チームとしてよりパフォーマンスが高められるように、栄養サポートを通じた選手のコンディション管理にも取り組んでいます。
私たちは、アスリートサポートの取り組みをはじめて以来、少しずつ工夫を重ねてきたノウハウを生かし、それぞれのアスリートに合わせた最適なサポート手法を見出して提供しています。今までの経験から、チームのサポートに取り組むにあたって、特に重要だと感じたことをご紹介します。

1. ルーキーに注目する

チームスポーツでは「選手全員のベクトルを合わせる」ことを目指したいところですが、なかなか難しいのが実態です。
経験が豊富なベテラン選手やストイックな選手ほど、「自己流」から変えることに対するハードルが高くなります。食生活においても自己流のルーティーンができているため、「スポーツ栄養学としては…」という理論だけのアドバイスで行動を変えるのは難しいと何度も実感してきました。
そこで、私たちが注目したのが「ルーキー」の選手です。ルーキーは経験が浅く、栄養や食事の知識もあまりないため自己管理がうまくできなかったり、プロとして戦うためのからだづくりがまだまだできていなかったりと課題が多くあるため、これを解決するための方法をレクチャーすると、どんどん吸収してくれます。そのため、チームに加入したての早い段階で栄養サポートを行うことが効果的です。

2. ルーキーからチームに波及させる

1年目のルーキーのからだづくりは、チームのハードな練習についていくのはもちろん、活躍していくためにとても大切。自分自身のコンディションを知る上で大切な体組成の計測方法や結果の見方からまずは丁寧にサポートしていきます。
また、ルーキーは、期待されてプロ入りしてきた注目株の選手の場合も多く、チームメンバーから注目されるため、ルーキーを個別でサポートしていると、チームの他の選手が気になって栄養に興味を持ってもらえたり、自分も取り組みたいという選手が増えたりと、少しずつ輪が広がっていきます。さらに、ルーキーが栄養面を強化されたうえで強くなると、ベテラン選手をはじめ他の選手にとってはある意味脅威となるため、競争意識が生まれ、結果としてチームにいい影響をもたらすことが期待できます。

3. チームのサイクルを作る

食事に対するリテラシーがせっかく高まっても、サポート期間だけで終わってしまってはもったいありません。そこで、最初の年にルーキーをサポートして、知識を身につけてもらい、次の年に別のルーキーをサポートします。このようにその年のルーキーに食事指導を毎年おこなうことで、将来チームを担う若手選手を育成することができます。
若いうちから栄養や食事の自己管理能力をつけた選手が育てば、立派な中心選手になったときには後輩選手の手本となり、栄養のリテラシーや習慣が次の世代に受け継がれていきます。気が付いたら栄養の知識をしっかりもった選手がそろい、チームが強化されていきます。もちろんさまざまな形のチームづくりの手法があると思いますが、こうしたアプローチもチームの強化として有効だと考えています。

選手にとって最適な育成サイクルをつくるには、そのスポーツ競技のシーズンやチームの育成計画のサイクルと同期させていくことも重要です。

 ・ジュニア年代のチーム
 ・長い目で見てチームを育てていきたい

など、チームビルディングをチームの状況や目標に合わせて食事や栄養面から一緒に考えていきたいですね。
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