レポート03:世界と戦うアスリートの水分補給

何を摂るかではなく、どう摂るか。|ベストな水分補給の温度を探る。

水分補給・温度管理
2019.10.30
堀越 理恵子 | 公認スポーツ栄養士・管理栄養士
アスリートにとって、からだの水分量はパフォーマンスに大きく影響します。パフォーマンスを維持するためには、運動前後の体重の減少量(脱水量)は2%以内に収めることが必要である、ということは世界的に言われています。この法則はアスリートであれば常識となっているため、ライバルに勝つために、「いつ・何を・どのくらい飲むか」といっただけでなく、飲料の温度まで管理している選手も少なくありません。
今回は、競歩の岡田選手(ビックカメラ所属)の水分補給についてご紹介します。

自分にあった補給水分温度を見つけるために

選手は猛暑の環境下でも試合やトレーニングをこなさなくてはなりません。そんな時、いかに効果的な水分補給が出来るかという事は選手のパフォーマンスの維持・向上や試合結果などを左右する一因になります。
今年の夏、私のサポートしている岡田選手から、「より自分にベストな水分補給の内容にするため、暑い環境下でのレースに備え、水分補給時の温度を測定して自分にあった水分補給法を作りたい」という連絡を受けて、デジタル式の温度計を手配しました。

普段の練習の時から本番を想定する

レースで成果を出すためには水分補給も調整が必要です。自分にあった水分補給法について、「いつ・何を・どのくらい」飲むかを試行錯誤しながら、パフォーマンスが最も高まるマイベストを決めています。そこに加わったのが「何度の」というベストな温度探しです。
日本スポーツ協会や環境省なども補給する水分温度は、5~15℃をすすめています。その温度を参考に、そこから更に自分にあった補給水分の温度帯を探してベストを見つけていきます。何を摂ったらいいか、というだけではなく、からだへの吸収まで考えて水分温度まで考慮する必要があります。暑熱環境下でのレースを強いられる選手は、紙一重のレコード向上を目指して自らのからだづくりを細部にまでこだわっているのです。

『マイベスト』な水分補給

胃に溜まりにくい成分と量、温度を見つける事は、熱中症や脱水の予防にも繋がります。アスリートにとってはパフォーマンスの維持・向上に、アスリートでない方でも熱中症予防のために、是非自分のベストな水分補給法をみつけておきたいですね。
   
ちなみに、学生アスリートに向けて水分補給セミナーを実施した時に、選手からこのようなエピソードを聞かされました。それは、「記録会にあわせていつも以上の量の水分を摂ったら、レース中に腹痛が起きました」というもの。自分のからだにあった水分補給のタイミングや摂取量などマイベストを見つけるためにはトライ&エラーがつきものです。大事な試合で失敗しないよう、しっかり準備をしていきたいですね。
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