レポート01:「食べる力」をつけるお手伝い

なぜ強い選手は「食べる力」があるの?|まずお伝えしたいこと

アスリートの栄養管理

2019.10.30
堀越 理恵子 | 公認スポーツ栄養士・管理栄養士

現在、競歩の日本トップレベルの岡田選手(ビックカメラ所属)をサポートしていますが、彼女には「食べる力」があると感じます。私たちは、過去に栄養アドバイザーとして多くのアスリートに関わってきましたが、強い選手は「よく食べる」という印象があります。アスリートは筋肉量が多いため、基礎代謝も高い傾向があります。加えて、トレーニングによるエネルギー消費量も多いことから、必要なエネルギー量をしっかり確保する必要があります。自分にとって必要な量を食べる事が出来るかどうかが、選手のからだづくりやコンディショニングにおいて重要なカギになるということです。

食事は逆算

起床後、皆さんはお腹が空いてすぐ「食事を摂ろう!」と思えますか?
岡田選手は、朝起きて30分程度で1000kcal以上のエネルギーをしっかり補給できるのです。これを目の当たりにした時は、少し驚きがありました。レース開始時間から消化・吸収の時間を逆算し、必要な栄養とエネルギー量をしっかり摂り、レースに挑む。驚きと共に、やはり強い選手は「食べる力」があるのだなと感じました。

レース前の食事提供

レース開始時間から逆算して食事を摂る際、滞在先のホテルの朝食の時間では間に合わない時があります。国内の大事なレースの時は選手と同じホテルに宿泊し、レース前に食べ慣れた食事を提供しています。
炊き立てのご飯と味噌汁、少しのおかず、果物など、レース前に選手が食べたい物、そして栄養面からみてもパフォーマンスにつながる食事を提供しています。

必要なタイミングで必要な栄養補給をすることが選手のパフォーマンスや結果に繋がります。結果を出すためにも、アスリートには「食べる力」が必要ですし、そのためには「食べる力」を養う必要がありますね。

このほか、私が選手をサポートする時、「食べる力」のリズムが狂わないよう、選手へのコンディション確認や栄養アドバイスといった連絡は夜遅くにはしないようにしていますし、海外遠征時は選手の生活時間に合わせて連絡やアドバイスなどのサポートをしています。このちょっとした工夫が、「食べる力」の維持につながっていると思っています。

ジュニアアスリートの食育にも重要なポイント

トレーニングだけでなく、食事や睡眠など生活リズムを整えることも重要です。人間のからだは、体内時計が上手くリセットできると、自然と食欲がわいてくるものです。このことは、規則正しい生活を続けると、成長や発育を促すことに繋がるとも言えます。このため大人になってからではなく、子供の頃から「食べる力」を身に付けておくことが、ジュニアアスリートの夢をかなえる第一歩です。多少好き嫌いがあっても大丈夫です!自分に必要な量が食べられない選手は3食だけでなく、補食・間食として摂取出来れば問題ありません。まずは自分の現状を振り返り、必要なエネルギー量や栄養素を確保できるように、少しずつ「食べる力」をつけていきたいですね。
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